―「何かができる」より「楽しい時間を過ごす」ことを大切にする子育てを―
子育てをしていると焦る場面が良くあります。一人ひとり異なる個性を持つ子どもに対して、自分らしく、自信を持って生きていく人になってほしいという思いは、保護者の皆さんと同じように私たち保育者も含め、だれもが抱いていることでしょう。
子どもは手足や身体、頭をフル回転させて没頭して遊ぶことで、頭脳や心肺機能が鍛えられ、集団遊びによって協調性や自制心、そして道徳心が養われ、生きる力になっていくのだと思います。
子どもが育つ過程で親は子どもにどう接するべきか、時には、見守り、時には手を携え導き、しつけをし、肌で寄り添い…お子さんの安全基地となってください。
子どもはその基地をベースとして自分の世界を広げていきます。
「子ども・子育て3法案」が成立し新制度がスタートしていますが、子どもには将来たくましく生き抜く自信をつけてほしいと願っています。そのために、幼稚園や認定こども園が“遊びは学び”を大切にした子ども中心の保育でありたいと考えています。
子育ては接する時間の長さより、どう一緒に過ごしているかが大事です。短時間であっても子どもと一生懸命に遊ぶようにしたい。子育てができる時間は、長いようで短いです。やがて自立していく子どもが、しっかり自立していけるように、子どもと一緒に過ごせる時間を大事にしてほしいと思います。
AIの時代、幼稚園・認定こども園を取り巻く環境は大きく変化していきますが、どのような時代でも「こどもがまんなか」常に家庭と幼稚園・認定こども園、そして地域が連携し、共に育つよう「長野県私立幼稚園・認定こども園協会」の全職員が一丸となって学び合い、高まり合う中で環境を整え実施していくことが重要だと考えています。
◇最後に児童精神科医の佐々木正美先生のお言葉から◇
「お母さん お父さん」 どうか忘れないでください
子育てでなにより大切なのは
「子どもが喜ぶこと」をしてあげることです。
そして、そのことを「自分自身の喜び」とすることです。
子どもは、かわいがられるいい子になります。
かわいい子だからかわいがるのではないのです。
いくら抱いても、いくら甘やかしてもいい。
たくさんの喜びと笑顔を親とともにした子どもは
やがて、人の悲しみも知ることができるようになります。
だれとでも喜びと悲しみを分かち合える人に成長するでしょう
これは人間が生きていくうえで
もっとも大切な、そしてすばらしい力です。